――ちょっと変わった「はじまり」の理由
「52歳までOK」と聞いて、ふと思ったこと
ある日、予備自衛官の募集年齢が「52歳まで」に引き上げられたというニュースを目にしました。
最初は「えっ、自分でもいけるんじゃないか?」という軽い気持ちでした。
「あの……やすこさんも予備自衛官やな?」って。
なんとなく親近感というか、自分でも挑戦してみていいのかも、と思えた瞬間でした。
ただ、よく考えれば普通はやらない。
年齢的にも体力的にも厳しいのは自分が一番わかっていました。
でも、もし本当に受かったら――
**「パパって、なんかすごい」**と娘に思ってもらえるかもしれない。
そんな気持ちが心のどこかにありました。
ちょっとバカげた挑戦かもしれません。
でも、本気でやってみたんです。
落ちた。でも、次があると思っていました
残念ながら、結果は不合格。
本当に勉強も頑張ったし、面接の練習もしました。
筆記の過去問も繰り返し解いて、体力測定の準備もして、
面接で自分の気持ちをうまく伝えられるように、何度もシミュレーションして。
ただ、自分では「あと2回は受けられる」と思っていたんです。
というのも――
自衛隊の広報官にも、初回の面談で「あと3回受験資格がありますね」と言われていたからです。
ところが、いざ応募サイトに情報を入力してみると――
「応募資格がありません」という表示が出ました。
正直、「サイトがバグってるのかな?」と思いました。
サイト自体も、決して洗練されているとは言えず……信頼しきれなかったのが正直なところです。
ですが、違いました。
「52歳まで」ではなかった。「52歳未満」だったんです
つまり、52歳になった時点で応募資格はなかった。
たった一文字の違いが、自分の挑戦を完全にシャットアウトしてしまったんです。
自衛隊の広報官もそのことを把握しておらず、あとから謝罪の連絡がきました。
「最後まで寄り添えず、申し訳ございません」
と、丁寧な言葉をいただきました。
でも自分としては、むしろこう思っています。
「いままで、こっちの勝手な夢に寄り添ってくれてありがとうございました。」
広報官の方は、本当に真摯に対応してくれました。
だからこそ、最後のその一言も、ずっしりと響いたんです。
ちなみに、対応してくださったのは
自衛隊 足立地域事務所(公式サイトはこちら)の広報官だった中野さんです。
もともと戦車部隊出身の方で、自分のような年齢の志願者にも丁寧に対応してくださり、
最後まで親身に寄り添ってくださいました。
娘には、ちゃんと話しました
妻からは「受かるわけないと思ってた」と言われ、
「潮時じゃない?」とも言われました。
現実的な意見でした。たしかに。
でも、娘には正直に伝えました。
「今回は試し。次が本番って思ってた。本気出すのは次って、そういう感じだったんよ。」
だから、まさかそこで挑戦が終わるなんて思ってなかった。
不合格だったことよりも、「次がもう無い」って気づいたときの方が、正直こたえました。
不完全燃焼のまま、勝手に幕が下ろされたような感覚でした。
「もう無理かな」と思った先に、ひとつのアイデアが浮かんだ
もう自衛隊は無理。
でも、自分の中にある“何か”で、もう一度**「かっこいい」と思ってもらえる方法はないか――
そう考えていたとき、ふと浮かんだのが「miura.work」**でした。
「自分の中の武器を、ぜんぶ並べてみよう」って思ったんです。
- パソコン修理の経験
- 出張サポートのスキル
- DIYで身につけた手先の器用さ
- 名刺やチラシの作成、サイト運営
バラバラだったものが、「ひとつの仕事」として形にできるかもしれない。
そう思い、まずはホームページ作りから始めました。
「楽しそうに働いてる姿」を見せたいと思った
娘に見せたいのは、
ただ「仕事をしている姿」じゃなくて、
**“楽しそうに働いてる姿”**なんです。
チラシをデザインして見せたり、
QRコードを読み取らせたり、
新しいドライバーや工具を買って「これ使うんだよ」って見せたり。
そういう「作ってる過程」を見せること自体が、
勉強になるんじゃないか、と思ったんです。
miura.workは、父親からの“人生のメッセージ”
仕事って、楽しい?辛い?
お金を稼ぐために「仕方なくやるもの」って考える人も多いかもしれません。
でも、本当にそれだけでしょうか?
お金があっても幸せじゃない人もいれば、
お金がなくても幸せな人もいる。
自分は、どちらかといえば後者に近いのかもしれません。
娘と話して、「へぇー!」って言ってくれるだけで、
「ああ、今日も生きててよかった」と思える。
だからこそ――
「楽しい仕事もあるんだよ」
「自分に合った働き方って、ちゃんとあるよ」
そんなメッセージを、miura.workという形で伝えたかったんです。
おわりに
このサイトを見てくださっている方にとっては、
「なんでこの人、こんなことやってるの?」と思われたかもしれません。
「金曜と日曜だけ?それって本気なの?」と感じる方もいるかもしれません。
たしかに、平日は普通の会社員。
副業という形で、週末中心に活動しています。
でも、自分にとっては**“空いた時間で稼ごう”という軽い気持ちではなく、**
**「自分にできることを、本気で届けたい」**という思いから始めたものです。
こうしてmiura.workを立ち上げた背景には、
ちょっとした夢と、少しの挫折と、たくさんの親心が詰まっています。
もしご縁があって、お仕事をご依頼いただける日が来たなら――
そのときは、ほんの少しでもこの想いが伝わっていたら嬉しいです。